まずは京都へ一泊して、翌日西原さんの工房へ向かう旅程で出発しました。
雨に洗われた、丸の内の赤煉瓦の駅舎、レトロなKitteビルは真っ白で、爽やかでした。
風が強く、のぞみは30分遅れ。のんびりと新幹線の中で食べる弁当を選んでから乗車しました。
一番搾りをちびりとやりながら、崎陽軒のチャーハン弁当をパクつきます。
地味ですが、シャコシャコした筍の煮物が好きで、いつも、もうちょっと食べたいなあと思います。
大好きな特製シウマイ。お弁当のシュウマイより、サイズが大きくて食べ応えがあります。
このタイプのひょうちゃんが欲しいのですが、なかなか出てくれません。

新幹線も新横浜辺りまでは、まだまだ序の口で、旅に出た気分になりません。
箱根の手前で海が見えてきて、すっとトンネルに入るあたりから、そわそわしてきます。
河川の水量は、どこも激しく、今度の台風の大きさを感じました。
茶色く濁った水が、普段は遊歩道のところまであふれ、大きな塊になって立体的に暴れていました。
雪のない緑の富士を眺め、うとうとしているうちに名古屋に到着。
名古屋を過ぎたあたりから、田んぼのあぜ道まで水がいっぱいにあふれてしまっているところを何度も見かけました。
京都へ行くまで、建物のすぐそばまで水が迫っているところも随分とあって、昼間の淡い光が反射して、あたり一面が白く、ぴかぴかと光っていました。
一日目は、少しだけ京都をぶらつきました。
京都の清水寺
今は、屋根を葺き替えているので、本堂は覆われていますが、五条坂のバス停を降りたところから、参道は観光バス、修学旅行生を乗せたタクシー、歩く人々で賑やかでした。
見晴らしが良く、はるか向こうに、京都タワーが見えます。
目的は、この清水寺の創建の由来にまつわる、音羽の滝を訪ねること。
僕は、修学旅行の時の朧な記憶を辿って、清水寺の門の手前あたりに滝があるように思っていましたが、
一番奥まったところにあるので、たどり着くまでには、ずいぶん高低差もあって、心持ちのよい散歩となりました。
参道の坂道を登って、立派な仁王さまの門をくぐり、本堂をお参りし、本堂から滝までの近道ができる階段がありましたが、のんびり順路を巡って、奥の院まで回ってから、ようやく音羽の滝にたどり着きました。
順番を待って、滝の手応えを柄杓でグッと受けて、喉を潤します。
少し汗ばむほど歩いた後なので、冷たい水が、やわらかい口当たりで、するりと胃の中まで落ち込んで行きます。
音羽の滝の手前に、滝の家という茶店がある。昔からあるし、今もあります。
靴を脱いで、赤い毛氈にあぐらをかくと、タイムスリップしたかのようです。
見上げるとさっきの清水の舞台が見え、手すりから下を眺めると、緑の渓谷から涼しい風が吹いてきます。
江戸時代どころか、千年以上の昔から、旅人が清水に参拝し、同じように順路を巡って、ここで一服したのだということが、静かに感じられます。
メニューには、お酒、うどんや木桶に入った湯豆腐もあります。
もう閉店間際、食べ物は終わりですとお店の人は申し訳なさそうに言いましたが、抹茶とおはぎを注文して、しばらく風にあたりました。
実は音羽の滝に来たのは、好きな落語『はてなの茶碗』の舞台だからで。
まだ聞いたことがない方は、ぜひ!!
夜は、ブルージーの昔の仲間と、久しぶりにお酒を呑み交わし、明日は、いよいよ工房見学です。